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創作とは何ぞや

 今日のきっかけは、「耳をすませば」です。

※この映画のネタバレを含みます。

 スタジオジブリの「耳をすませば」。中学三年生の月島雫は、進路も決まらず毎日なんとなく暮らす。ある日、ひょんなことからバイオリン職人を目指す少年と出会い、恋におちる。明確な将来の目標を語る少年の姿に焦りを感じた雫は、少年が職人修行に出る2ヶ月の間に、小説を書こうと決心する。必死で書き上げたのは荒削りな物語だったが、雫には少年に一歩近づくための大事な儀式だった―。スンごい端折って書きましたが、まぁ皆さんご存知ですよね。

この中で、主人公雫が、物語を書いていく過程が描かれています。毎日ろくな食事もとらず、授業にも身が入らす、大事な時期の成績を100番も落として…。机についてもイライラと貧乏ゆすりが止まらずに、頭を抱えてばかり…。「生みの苦しみ」とでも言うのでしょうか。また2ヶ月という、長編を書くには短い時間を切った雫は追い詰められて、少しウツ状態なっています。

昔、明治や大正、昭和初期の文学作家たちには、こういう人が多かったですよね。具体的な統計をとったことはありませんが、高校の教科書に載っているようなこの時期の作家、最期は自殺か結核か、という印象を受けました。

現代でも、作家がウツになっている例はあります。何年か前に、山本文緒さんという作家に嵌りまして、文庫の背表紙に打ってある番号を端から消化していく、という読み方をしたことがあります。コバルトのような少女向けの小説ではなく「プラナリア」に代表されるような文芸ものが好きでした。ですが、彼女はその後筆を置きます。詳しい事は分りませんが、どうやらその方面の理由での休養だったようです。今は復帰されてますが、以前ほど筆が速くはありません。

同じ表現者というジャンルに入れるとしたら、似ていると感じるのは鬼束ちひろさんです。彼女の幻想的な詞の世界に魅せられたこともありましたが、いつの間にか活動を休止してらして、後に自殺未遂までしていたと、つい最近知りました。

逆に、恩田陸さんなどは、デビューのきっかけの1つとして「OLの仕事に追われ、本を読む時間もなくて辛かった。辛くてストレスがたまって、その勢いで書いた」というようなことを言ってます。

近代の作家たち、或いは現代でも一部の表現者たちは、身を削るように作品を作ります。「表現」「創作」するということは、一部の人にとってそんなに苦しいことなのか…。

かく言う私も、こうしてものを書いている一人です。インターネットやケータイ小説の出現で、「一億総作家」と言ってもいい時代になりましたが、私は小説や詩・詞を書くのは特別なことだと思っていますし、書くだけならまだしもそれをパブリッシュ或いは売る、などということになれば、それはまるで雲の上の人たちがやること…なんて思っています。いや、「した」?

このブログでは、短いファンフィクションを2作アップしていますが、現在書きかけのものがもう2作(原案はもう何個か)、プラスVOYや他のドラマとは関係ないオリジナルの草稿のようなものが少しあります(これ、書いたら見たいですか?)。最も、FICは他人の作った世界に入ってそこで物語りを展開するのですから、厳密に「創作」といえるか、微妙なところですが。あ、ちなみに書きかけのFICは今止まっています。レビューが遅れ気味なので、とりあえず本編が一段落したら続きを書こうかな。

微妙、といえばもっと微妙な作品を書いたことがあります。これ言っちゃうと年が大体バレるんですが…。大学時代、ある授業の宿題で「小説を書いてきなさい」というものがありました。文学系の授業だったんですが、担当の助教授(現教授)は書くことを経験することで、作家への理解を深めようとしたようです。夏休みの宿題を8月の末までやりのこすように、なんと私は提出の前の晩までほとんど進みませんでした。書いては消し、書いては消しの繰り返し。原因は、ひとつの構想が頭から離れなかったからで、それが気になって仕方ないのに他に手をつけようとしても、それは書けるものではありませんよね。その構想とは、好きだった「ER緊急救命室」のエピソードを土台にした話。当時はファンフィクションなんてものの存在さえ知らずに、「ただのパクリじゃないか…」という恐れがただ手を止めていました。が…。どうしても気になって、それを書きました。結果的に、クラスで一番長いものになっており、しかも他の作品はみんなティーンズ小説か、BLまがいのものばかり。なんだ~、とちょっと気が抜けました。それに対して、助教授も回し読みしたクラスメイトも特にコメントはしませんでしたが、知っている人は知っていただろうな…。まぁ、その時はペンネームでの提出だったので、私が作者だとまでバレていたかは分りませんが。厳密に言うとファンフィクションとオマージュの合いの子みたいなものでした。ERの登場人物は出て来てはいないので。

その後も、いくつか掌編を書いてますが、他人の目に触れさせたのはその作品とここに置いてある2作だけです。しかし、果たしてそれが私の身を削るような作業だったか…。締め切りやなんかに追われることのない素人ですから、プロの表現者とはまた違うかもしれません。でも、私は「身を削って書く」タイプなのか、「自分の中で湧き上がるものを表現する」タイプなのか。作を重ねてみないと分りません。

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