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Sand And Water

 最近流行の歌って…。

 世に出ている「歌」の中で、今も昔も断然多いのは「恋の歌」だ。西洋の古典には詳しくないが、日本は古くから、それこそ「歌」というものにメロディーをつける前、「和歌」の時代から惚れた腫れたを詠ってきた。時代が変わって、演歌→歌謡曲→Jポップと次々に新しいジャンルの歌が発表されても、その傾向は変わらない。

ところが、最近流行っている曲は、それだけではない。結論を先に言ってしまうと「人の死」にまつわる曲が流行るのだ。

「最近」とあったが、90年代にも沢田知可子さんの「会いたい」がヒットしたり、あとタイトルを失念してしまったが、線香花火がどうのという歌も死んだ人の歌だったと思う。

最近、に話をもどすと、2000年に発売された花*花の「さよなら 大好きな人」は、亡くなったおばあさんのことをうたったもので、失恋の歌ではない(笑)。翌年には、森山良子さんが亡くなったお兄さんのことを思い作詞した「涙そうそう」が夏川りみさんのカバーでヒットする(BEGINリリースは前年)。2006年から丸一年ヒットを持続した「千の風になって」は、もともとアメリカに昔からあった英語の詩に、新井満さんが日本語訳と曲をつけたもので、実はだいぶ昔から歌われていたらしい。アメリカの同時多発テロの追悼式典で11歳の少女が朗読したことから、詩は少し話題となり、2005年には阪神大震災の10年チャリティーコンサートで宝塚歌劇団の彩乃かなみさんが歌っている。そしてご存知のように、テノール歌手の秋川雅史さんが歌って、2007年唯一のミリオンを記録した。そして、07年のレコード大賞になったコブクロの「蕾」は、作詞の小渕さんのお母さんのお話。私が認識しているだけでも、2000年代に入ってからこれだけの曲がヒットしている。「死」の中に「生」を見るのか、もう会えない人に伝えきれない思いを綴るのか…。

で、思い出したのが「Sand And Water」という曲だ。やっとタイトルが登場した…。これは、Beth Nielsen Chapmanさんという人が1997年に発表した同名のアルバムに収録されている。国内では大してヒットしなかったこの曲(失礼)を私が知ったのは、「ER緊急救命室」で挿入曲として流れていたのを聞いた時だ。第7シーズン第2話の「奇跡の命」である。ちなみに、原題は「Sand And Water」であり、エピ中でこの曲が重要な位置を占めるのは言うまでもない。規則に厳しいDr.ウィーバーが判断能力のない末期の女性の治療にあたるが、彼女を介護してきた「パートナー」の女性は本人の希望から延命処置を望まない。ところが「パートナー」には法的権限がないので、遠くに住んでいる弟の意思に従って気管内チューブを入れなければならない。「ごめんなさい…」と言いながら、ウィーバーがチューブを入れる時に流れるのが、この曲だ。

チャップマンさんは、この曲を書く前に夫を亡くしており、そのことを歌ったものだ。「All alone I ~」と繰り返される詞には、残されたものの悲しみが込められている。歌詞や訳詞を直接載せると著作権に触れるので、恥ずかしながら自分で訳した詞を載せたい(これなら大丈夫…だと思うので)。私はあまり意訳をしないほうなので、中学生の訳のようだが、ご容赦願いたい。

  水と砂   (作詞 Beth Nielsen Chapman 訳 浅木)

 ひとりぼっちなら こんな気持ちになることはなかったのに

 ひとりぼっちで 座って泣いてたわ

 ひとりぼっちで その意味を見つけなきゃいけなかったの

 心の中で感じた悲しみの真ん中で

 ☆この世に生まれてきた時 私はひとりぼっちだったわ

  いつか死ぬ時も 私はひとりぼっちなのね

  かたい石だって もとはただの水と砂

  水と砂、それに幾千の月日が作り上げたものなの

 ★あふれる太陽の光には あなたが見えるわ

  波の音には あなたの声が聞こえる

  みんながいつか迎える、その時がきたら あなたが分かるの

  死のドアを通っていくその時

 ひとりぼっちでも この胸の悲しみを癒していくわ

 ひとりぼっちでも この子を育てていく

 ただの骨と肉だけど

 明日へ向かわせてくれるわ

 笑い声が私の世界を満たし あなたの笑顔も見せてくれる

 ★repeat

 ☆repeat

 このCDを、何年か前に手に入れた。その後2度ほど引越しをしたが、CDは捨てずにおいた…つもりだった。が、今手元には英語の歌詞カードと空のCDケースだけが残っているという悲しい状況で、YouTubeで曲を聞きながらこれを書いている。これを聞いた方がいたら、感想を是非。

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