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第95話「Night(暗黒の汚染空間)」

 ヴォイジャーが入り込んだ「空虚」には、ほとんど何もなかった。

※ネタバレです。

 白黒の地球に男の声がします。地球人への古めかしい警告。捕らえられているハリーと女性、その男の前に、「キャプテン・プロトン」のトムが現れ、男ケオティカから人質たちを救出。いいところで…、出てきたのはカラーのドクターでした。ホロデッキの使用時間をオーバーしたトム。でも、20世紀風のSF「キャプテン・プロトン」に夢中。ちなみに、今回は「悪魔のロボット世界を征服する」の最終回です。ドン・カルロの練習に来たドクターと争ってボタンを押していると、ブリッジに異常が通報されてしまいました。そのブリッジには、副長が1人で座っています。そこへ、セブンがやってきました。悪い知らせです。2500光年内には星や船が1つもなく、シータ放射線でセンサーもろくに使えない状況です。ビュースクリーンには、ただ暗闇が広がっていました。この状態ですでに2ヶ月、これが2年続きます。

地球に戻るため、この星域を通るしかなかったヴォイジャー。エネルギーも節約しなければなりません。会議でも、なんとも退屈な報告しかありません。クルーの指揮、という議題になったとき、ニーリックスが全員の気になることを言いました。艦長が部屋から出てこないこと。副長は、それは彼女の自由だと言います。副長も少しイラついているようでした。

夜、寝ていたニーリックスは起きだして、お茶飲んでいます。窓の外は暗闇。カーテンを作らないと。トムとベラナはテーブルゲームに興じているようですが、それはデュロッタというかなり微妙なゲーム。なにもこんなのしなくても、オセロやチェスの方がよっぽど面白い気がするんですが。やっぱり、ちょっとしたことで言い合いになってきました。結局眠れなかったらしいニーリックスが止めに入りますが、途中で呼吸困難になってしまいました。

「無への恐怖」、それがニーリックスの症状の原因でした。一方トゥヴォックは、天体測定ラボで瞑想してました。これも星が見えないといけないらしいです。お邪魔をしに来たセブンはシータ放射線の増加を感知しました。

それは特に心配ないと、艦長の私室で報告する副長。ついでに、ヴェロシティに誘いますが、艦長はがっつり落ち込んでいてそれどころじゃありません。艦長は、クルーが「空虚」と呼ぶこの暗闇に迷い込んだもの、δ宇宙域を彷徨うことになったのも、全て自分の決断のせいだ、と責任を感じていました。未知の冒険は成功していると励ます副長です(キャスリン、と呼びかけてます。ちゃんと吹き替えてほしかった!)が、艦長は聞く耳を持ちませんでした。

ブリッジで1人、クラリネットを吹くハリー。あり得ないほど眠くなる曲です。ハリー作曲「空虚の響き」、退屈してやってきたトゥヴォックに聞かせます。

再びキャプテン・プロトン。ブリッジシフトのハリーの代わり、セブンを連れてきて秘書「コンスタント・グッドハート」にします。声がニーリックスのロボットをブチッと倒して、さっさと帰りたい様子です。

空虚の響きが響くブリッジが急に揺れ、ワープから出てきてしまいます。他の部署でもパワーが落ち、ヴォイジャー全体の照明も消えてしまいました。真っ暗です。

ハリーは予備のエネルギーに接続。廊下でドアを開けられない副長は、誰かの息遣いに気づきます。機関室では大騒ぎ。コアも落ちてます。トムとセブンは旧式の懐中電灯でホロデッキにいました。独立している環境制御とホロデッキは稼動中です。でもホログリッドが動かないんです。

副長が見つけたのは、不安に慄くニーリックスでした。ハリーがセンサーの一部を回復させ、とりあえずパネルをつけます。トゥヴォックは光子魚雷を発光させて、スクリーンビューに映るものを見ようとします。

トムはホロデッキ内にいた謎の異星人に攻撃されます。セブンが反撃。異星人は倒れました。副長とニーリックスも、何かの存在に気づきます。襲ってきた異星人をフェイザーで撃ったのは、艦長でした。

艦長はエネルギーセルを機関室に運び、ハリーは緊急パワーを回復、トゥヴォックはヴォイジャーの周りに集まる船を見つけました。艦内に明かりがつきます。艦長は威嚇射撃を指示、相手も撃ってきました。攻撃のなか、医療室に運ばれるトムと異星人。すると、他の宇宙船がやってきて、異星人の船を蹴散らしました。すぐに通信してきたこの船は、攻撃に使ったエネルギーを弁償しろと言ってきます。

転送室に現れたのは、マロン船のエムック船長。多量の放射線を浴びています。コースを変更できないのなら、エムックは空間の渦があるからそこへ案内すると言ってきました。ただし、負傷した異星人を渡すこと。言いたいことだけ言ってさっさと去っていきました。

医療室は薄暗いまま。空虚の住人である異星人に合わせています。怪我は軽いんですが、多量の放射線が致死量に達しています。彼は、ヴォイジャーがマロンの仲間ではないと分かると、攻撃したことを艦長に謝りました。

副長はトゥヴォックを呼び出し、助言を求めます。艦長のことで。トゥヴォックは艦長の罪悪感を見抜いていました。トゥヴォックは、過去にも艦長がクルーのために命を賭けて死にかけたことを話します。

空虚の住人は、みんな多量の放射線を浴びていました。助けを求めながら、転送されていく異星人。

マロンは、この空間に反物質のゴミを捨てていました。艦長は平和的解決を申し出ます。反物質を安全に分解する方法。同時に、渦の調査をしてます。破壊するかもしれないのです。問題を解決できる機械を見たエムックは、廃棄する自分の仕事がなくなると言います。交渉は決裂、珍しく副長が嫌悪感丸出しで「つまみ出せ」と。

艦長はやはり、渦を破壊しようと思い至っていました。でも、今回はクルーニ犠牲を強いないために、信頼できる副長に船の指揮を任せると言います。

ブリッジに集められたクルーの前に、艦長が姿を現します。1人1人を見つめ、声を掛ける艦長。彼女が考えていたのは、ヴォイジャーが通った後、1人シャトルで残って渦を爆破するというものでした。でも、ベラナが声を「いやです!」とあげます。他のクルーも、艦長の言うことは聞きません。トゥヴォックは言います。過去の経験に学んでいるのはあなただけではない。副長は代案も用意してました。副長主導の「反乱」に、艦長も作戦を変更しました。

マロンとの激しい戦闘の中、渦に近づいたヴォイジャー。ところが、攻撃で両エンジンをやられてしまいました。艦長は船尾シールドを強化し、渦を爆破する衝撃波で飛んでいこうします。前方をブロックするマロン船(原語で聞くと「メロン」に聞こえます。笑)は、異星人が攻撃してくれました。弱ったマロン船に致命的な一発を与え、渦を破壊して抜けたヴォイジャーですが、完全に抜けたわけではありませんでした。まだビューは暗いま…と、トムが何か見つけました。そして、次々に現れる星たち。ハリーの言葉では「命の輝き」です。艦長の目にも涙が浮かんでいました。

ちょっと、言わせてください。大抵、「最初の設定は面白かったのに、終わってみると変だった」という不良作のセオリーに反し、きれいな終わり方なんですが…。なんでシーズンプレミアがこんな陰気な始まり方なわけ?VOYファンに人気のホロプログラム、「キャプテン・プロトン」の初登場も台無しです。特に、あの艦長の描写は納得できません。あれは何?「空虚」の中で、そりゃ落ち込むこともあるでしょう。今までの緊張の糸が切れてしまって、笑えなくなることもあるでしょう。でも、私室に篭って副長をはねつける姿は、あり得ません。今回の制作2人は、キャスリン・ジェインウェイのなにを見ているのか…(怒)。艦長なら、自分がどんな状態になってしまっても、例え一日中黙っていても、ブリッジや作戦室に出続けるでしょう。もっと、他の描き方があったはずです。それにあの最後の「作戦」も、整合性に欠けます。前回「Hope and Fear」で、1人δ宇宙域に残ると言ったセブンに彼女はなんて言いました?「そんなこと、どのクルーにも許可できない」と言ったはずです。その次の回で、これですか?それに、これに対してなんのフォローもないっていうのもどうですか?ただ、アンチの人たちに艦長批判の材料を与えただけでしょう。

と、グチってはみるものの、エピ自体の存在は否定できません。それにこの「マロン」、VOY全体に影響を与える「あれ」に関わっているので、無視できないんですよね…残念ながら。

今回のお題。…どころじゃなんですがね、まあ一応。原題「Night」=まさにヴォイジャーで最も「暗い」エピを象徴します。邦題「暗黒の汚染空間」。そうなんだけど…若干ネタバレだし、外見しか表していないので、30点くらいの邦題です。むしろ、「暗黒」や「空虚」だけの方がバシっとしていていいかもしれません。

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コメント

> 今回の制作2人は、キャスリン・ジェインウェイのなにを見ているのか…(怒)。

USS Kyushuのエピソードガイドへの投稿に、次のようなものがあります。
> VOYシリーズには、二人のジェインウェイがいる。一人は、娯楽ドラマのヒロインに相応しい人物。欠点はたくさんあっても、基本的に視聴者の共感を呼べる人物。強さだけではなく、女性ならではの感性も持つ新しいタイプの艦長。(これを仮にジェインウェイAとする。)もう一人は、人として基本的な感性が欠落した人物。他者の生命を左右できる権力を持ちながら、命を奪うことに無感覚な、一種のモンスター的人物。無謀で衝動的で攻撃的という危うい精神構造を持つ、船を任すには問題の多い艦長。(これを仮にジェインウェイBとする。)ジェインウェイBを作り出したのは、ブラノン・ブラガとジョー・ミノスキーの脚本家コンビ。このコンビ以外の人たちが作り出したのが、ジェインウェイAである。

私もこの意見に賛成です。

投稿: X^2 | 2008年3月10日 (月) 03時38分

>X^2さん
なるほどねー。確かにそうかもしれません。特にブラガは、テイラー女史達が作り出した艦長の基本を壊そうとさえしているように見える時も。「ワープ10」のグジグジした言い訳もウザかったですし、私はイマイチ彼が理解できません。
Kyushuって、制作全部載ってますよね。ちょっと調べてみようかな。

投稿: 浅木 | 2008年3月11日 (火) 02時57分

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