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第121話「Equinox,PartⅡ(異空生命体を呼ぶ者たち・後)」

 ヴォイジャーを裏切ったイクワノックス。非道な手段で先に地球へ帰ってしまうのか。

※ネタバレです。

 前回、とんでもないところでシーズンを終わらしてくれたVOY。今回からシーズン6です。DVDで見てたり、連続放送で見てるこっちはいいですが、本国放送ではこれで半年間やきもきさせられたんでしょうね。…ありえない。

さて、ブリッジに侵入してきた異星人たち。次々と襲い来る彼らに対抗していたクルーですが、中央で戦っていた艦長にわずかな隙が。背後から襲い来る異星人に気づいた副長が声をあげます。それに反応した艦長、エイリアンにはね飛ばされるものの、頬の傷だけで済みました。しかし、艦長に気を取られた副長のほうは背中からもろに異星人と接触。それが不思議とミイラにはならないんだな。が、まあ重傷は負ってしまうわけで、その間に、艦長はディフレクターを調整。なんとか空間亀裂をふさぎました。急いでドクターに連絡をとりますが、応答なし。

一方イクワノックスは、ヴォイジャーから奪った装置で異星人から逃れていました。センサーでヴォイジャーの状況を確認したランサムですが、コース維持を指示します。

大型のフェイザーを手に、廊下を歩く艦長。モバイルエミッターを見つけたニーリックスが声をかけますが、艦長は無言のまま。そこには、異星人の死骸がありました。

医療室。床にまで転がる負傷者。トムの治療もむなしく、また一人クルーが命を落としました。艦長が入ってきて、ドクター2(倫理サブルーチンのない、イクワノックスのドクター)を再起動。症状の安定した副長に声をかけます。「エイリアンの攻撃をやめさせるべき」という副長に、あくまでもイクワノックスの捜索を続けるという艦長。その意見の対立に聞き耳を立てるドクター2。

海辺の映像。それは、ランサムの神経シュテュミレーターでした。そこへセブンを連れたマックスがやってきます。ランサムは、セブンに自分たちのクルーになるように言いますが、セブンは断固拒否。ランサムは、とりあえず傷の手当を命じます。医療室でセブンの前に現れたのは、ヴォイジャーのドクターです。

「罪を重ねないですむ」と殊勝なことを言っていたギルモアですが、殺したエイリアンを入れるためのエンジン改造を完了しました。しかし、それはセブンに暗号化されていたため、機能しません。コードを教えろと迫るランサムですが、セブンは涼しい顔。ところが、倫理サブルーチンを削除されたドクターが、セブンのノードを分解しにかかります。

ヴォイジャーでは、ハリーと副長が異星人の言葉を解明し、友好のメッセージを書き上げました。ブリッジのフィールドを一時的に解除して、エイリアンを一体入れます。それは攻撃せずに帰って行きましたが、その後フィールドを張ると再び攻撃が。すると艦長はメッセージの再送信を進言する副長を拒否してイクワノックスの捜索を指示します。

作戦室へ艦長を追って入った副長。艦長はランサムに復讐したくてイクワノックスを追っているのでは、と。それに対して艦長は、ランサムへの怒りを認め、しかしこれを復習と呼ぶなら勝手に呼べと言いました。決定的に対立した2人。副長は黙って作戦室を出ます。

イクワノックスはある惑星の軌道上にいました。修理するために格好隠れ場所です。また、惑星にある鉱石を取りに行くため、ノアともう一人のクルーが向かいました。ドクターは、鼻歌交じりに上機嫌でセブンのノードを分解し続けています。なんとかドクターを説得しようとしたセブンですが、聞く耳持たずのドクター。ランサムがやってきて、コードを言うようにセブンに迫ります。ノードを分解してしまえば、セブンは能力を失ってしまうからです。断固拒否し続けるセブン。

作戦室に呼び出された副長。彼は、文章で艦長に忠告を続けていました。艦長はあくまでもランサムの捜索を主張。記録を調べて、彼がどこかに隠れているとみました。あったりー!隠れ場所を探すように指示され、素直に従う副長。さっさと終わらせたほうが早いと思ったんでしょうか。

ランサムは自室で神経シュテュミレーターを装着。穏やかな海辺の景色。と、そこに女性の後ろ姿が見えます。不審に思い、ギルモアにそのことを尋ねますが「景色だけ」だと答えられます。

地上へ降りたノアとクルーは、副長たちに捕えられます。ランサムたちは、ヴォイジャーにいるドクター2の密告によってヴォイジャーが彼らを見つけていることを知り、戦闘を覚悟します。

戦力には差があるはずですが、ヴォイジャーとまともにやりあうイクワノックス。艦長は降伏命令を出し、ベラナはマックスへ通信して説得しますが。どちらも聞き入れられません。ヴォイジャーのフィールドは弱まり、イクワノックスの武器は機能停止。するとイクワノックスは、惑星の地上へ降下を始めました。追いかけた艦長でしたが、このままではフィールドが!と言われてやむなく中止。ランサムには逃げられてしまいました。

しかし、とっつかまえたノアに、御自ら尋問を。拘束室のフォースフィールド越しに、というのがいつものパターンですが、今回は手錠をして…本気で怒ってる艦長、恐ろしゅうございます。セブン同様断固拒否したノア。すると艦長はノアを一人残した貨物室のシールドを落としてしまいました。副長が怒鳴って止めても聞かない艦長。副長はついに、艦長の意思に反して貨物室に入り、ノアを救出しました。

彼の情報によると、あの異星人と交流のあるアンカリ人の船は、近くにいるということ。彼らを通じてなんとか異星人と和解できないか探る…という会議は、副長がすべて仕切っていました。解散後、艦長は副長の計画に同意しますが、ランサム捜索もやめないと。副長がノアのことについて「あんなことは二度とさせない」と言うと、艦長は副長を解任してしまいます。

アンカリ船を少々強引に捕まえた艦長。みんな気づいています、なにかおかしいと。しかし、アンカリ人を説得し、異星人との交渉にこぎつけました。彼らは艦長の言葉がわかるようで。「イクワノックスを渡せ」という異星人の条件に、艦長は同意しました。止めるトゥヴォックを振り切り、異星人の攻撃をやめさせました。

まだ「燃料」が必要なイクワノックス。ランサムが医療室へ行くと、ドクターがセブンに「愛しのクレメンタイン」を歌わせながらご機嫌で作業していました。自室へ帰ったランサムは、神経シュテュミレーターを。前回と同じ女性があらわれました。振り返ったその顔は、セブン。彼女は「隠れている」と言いました。そして、「まだ遅くはない。終わらせろ」…そういうセブンの姿は急に異星人の姿に。

ヴォイジャーに見つかったランサム。星雲に隠れようというマックスの言葉に反して、ランサムは、艦長に従って降伏しようと言いました。するとこっちでも、副長マックスが反抗。同じく副長の任を解かれますが、こちらはおとなしく従うはずもなく、逆に指揮を奪われてしまいました。ギルモアまでもが、ランサムに銃を向け、拘束室へ。マックスは、ヴォイジャーのドクター2に命じて、ヴォイジャーのシールド周波数を送信させました。

ランサムが連れてこられたのは、拘束室ではなく機関室。ギルモアは「味方」でした。

次にヴォイジャーが攻撃を受けた時、ドクター2の送った周波数により、攻守は逆転。その時、ランサムからの通信が。クルーを転送し、降伏するという彼の言葉を、艦長は信じました。彼の言うとおり、ブリッジとランサム以外のクルーとセブン・ドクターが転送されました。医療室を取り返したドクター。いつ倫理プログラムを取り戻したの?

イクワノックスはもう限界です。異星人が次々やってくる船内を進むマックス以下ブリッジクルー。一応先頭を行く度胸だけはあるんですね。しかし彼らは、あっけなく異星人にやられてしまいました。

残るはランサム一人。「転送する」という艦長ですが、ランサムはイクワノックスの爆発からヴォイジャーを守るため「必ず地球に帰ってくれ!」と言い残して通信を切りました。彼はその瞬間、神経シュテュミレーターで海辺へ。

副長は復職、異星人は引き上げて、セブンの修理も済みました。ドクターはセブンに謝罪し、セブンはドクターのせいではないとゆるしてくれました。

ノアやギルモアたちイクワノックスのクルーは、階級をはく奪されましたが、乗組員としてヴォイジャーのクルーになりました。

ブリッジに戻った艦長と副長。ニーリックスはクルーを励ますためにパーティを開くそうです。マックス同様反乱をおこすこともできた副長ですが、それはしませんでした。そのとき艦長は、ヴォイジャーの船名パネルが落ちているのを見つけます。今までどんなことがあっても落ちなかったのに。副長は「元に戻しましょう」と言いました。

最後の副長のセリフに、ちょっと感動してしまいました。おそらく自分でも止められなくなってしまっていた艦長も、その艦長と自分との関係も、旅の目的も、すべて軌道修正して…。彼女がしたことには、なにも言わない。いい男だ、チャコティ。

改めて見てみて、発見したことが一つ。ランサムが最終的に改心するきっかけになったセブンの映像ですが、あれはギルモアが仕組んだことではなかったでしょうか。彼女は神経シュテュミレーターに詳しかったし、機関部員ですからこれくらいお手のもの。極めつけは、機関室へランサムを連れていったときのセリフ「すべて終わらせましょう」です。おそらく原語では、海辺のセブンと同じことを言っていたのでしょう。ま、例え彼女が仕組んだことだとしても、なんで海辺のセブンにピンクのドレスを着せたのかは謎ですが…。

このイクワノックスがらみの艦長は、いろんな意味で非難の的となっています。でも、熱しやすい私は艦長の気持ち、分からなくはありません。もう少し冷静に考えれば、先に異星人とのゴタゴタを解消してからランサムを負ったほうが効率的だったとも思いますが。しかし「効率的」が口癖のセブンがいませんので、あれですね。暴走した艦長は、ほんと、怖かったです…。

前編の最後に、イクワノックスの設定への不備を書きましたが、ストーリー自体は決して無駄なものではなかったと思います。イクワノックスはともすれば、ヴォイジャーのもう一つの姿。ランサムのいいわけではありませんが、ヴォイジャーが最新型の比較的大きな船だったこと、多くのクルーを失うもそれをマキのクルーが補ったこと、それにニーリックスというδ宇宙域のガイドがいたこと…。もちろん艦長はじめヴォイジャーのクルーが道義心を失わなかったことも大きいですが、ヴォイジャーは他にも好運に恵まれ、宇宙艦隊としての体裁を守ってこられたのです。ひょっとしたら自分もこうなっていたかもしれない、あるいはこうなることを一番恐れていた、そんな思いがあったから、艦長は激怒してイクワノックスを追ったのではないでしょうか。

今回のお題。原題「Equinox」というのは「分岐点」という意味です。上記の感想と合わせて、ヴォイジャーとイクワノックスの間にはその運命を分ける「分岐点」があったのですね。邦題も「U.S.S.イクワノックス」とか、それでよかったんですが「異空生命体を呼ぶ者達」ですか…。なんか感性が合いませんねぇ、邦題とは。

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コメント

USS Kyushuの掲示板等での艦長への罵りには与しませんが、さすがに今回は「暴走」ですね。もちろん彼女の気持ちは解るし、同じ立場だったら多くの人が同様に感情的な行動に走ってしまうと思います。ただ今回に限らず、事が終わった後には過ちを反省し悔いて欲しいというのが私の感想です。特に欧米文化では「決して過ちを認めない」事がむしろ指導者の資質と捉えられているのかなと、VOYを観ていると思う事もあります。

> ひょっとしたら自分もこうなっていたかもしれない、
> あるいはこうなることを一番恐れていた、
単にランサムの非道に憤っていたというより、むしろこちらの方が真実に近そうですね。

> ランサムが最終的に改心するきっかけになったセブンの映像ですが、
> あれはギルモアが仕組んだこと
これは今まで気がつかなかったのですが、面白い仮説ですね。なるほどそうかもしれません。

投稿: X^2 | 2008年5月 3日 (土) 17時29分

>X^2さん
>>事が終わった後には過ちを反省し悔いて欲しい
それは言えますね~。ストーリー上のキャラクターだけでなく、制作にも考えてほしいところですね。シリーズが後半になっていくにしたがって、焼き直しやパターンのなんと多いことか。あっちは「俺が法律!」みたいなところありますよね。逆に変なところで「後悔」を描いて見せたりして、ちょっと違うんでないかい?と思うときがあります。

投稿: 浅木 | 2008年5月 3日 (土) 19時19分

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