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言論を支配せよ

 久々のNHKネタです。今回も夜中の再放送で、NHKスペシャルから「言論を支配せよ~”プーチン帝国”とメディア~」です。

※ネタバレします。

 5月7日にメドベージェフ大統領が就任したばかりのロシア。しかし、プーチン前大統領は権力を保持し、「プーチン帝国」とも呼ばれる。

 プーチンはテレビを押さえている。ロシアのテレビは国営テレビか、政府や国営企業が株式の50%以上を占める民放か。事実上、プーチンの支配下にあるわけだ。

 新聞もまた、似たような状況におかれつつあるが、独立系の新聞社「ノーバヤガゼータ」では、多数の野党議員逮捕の真相や、与党の大統領選挙票水増し疑惑を追っている。そのため政府の圧力は強く、同社の記者3人が不審な死を遂げた。うち一人、女性記者のポリトコフスカヤは、チェチェン戦争で「これは民族虐殺」と伝え、世界的には高い評価を得たが、06年に射殺体で発見された。

 民放の一つ、NTV(エヌ・テー・ベー)。今は政権寄りの報道一色だが、開局当時は違った。チェチェン戦争の政府発表からかけ離れた実態を戦場から伝えた。その番組を担当していた女性記者マシューワと女性キャスター・ミトコーワ。彼女たちは最前線であった。その報道によりエリツィン大統領の支持率は急落、失脚の引き金になった。次いで大統領になったプーチンはしかし、就任後すぐにNTVの支配にかかった。オーナーを逮捕し、釈放の条件として株式を放棄させ、記者を連日取り調べる。当然市民を巻き込んだ反対運動が起き、政府のやり玉に挙げられた記者がプーチンと面会したが、プーチンはこれを一蹴。結局、多くの社員が社を去ることとなった。そんな中、キャスターのミトコーワは残った「政権批判の時代は終わったの」と言う彼女は、その後報道部部長、編集責任者へと異例の昇進をした。

 NTVの件以来、報道には自己検閲の習慣が生まれた。規制されたメディアは、国民に何をもたらすか。テレビで伝えられる「強き良きプーチン」。博識で人柄もよく、経済を回復させたプーチン。そんなプーチンの姿は国民の強い支持を集める。

 野党議員逮捕の件を調べていた「ノーバヤガゼータ」の男性記者ムーリンは、重要な手掛かりをつかみかけていた。どこまで踏み込めるか。政権批判ともとられかねない原稿はしかし、肝心な部分がカットされ、半分になっていた。それでも、載らないよりはいい。

 NTVを辞めた女性記者マシューワは、モスクワ大学で教鞭をとっていた。学生にメディア論を教える彼女は、大学内のスタジオで討論会を実施。テレビ局が触れない、チェチェン周辺のロシア軍が働く暴挙について。テレビ局も呼んで撮影させたが、それは放送されず、しかも大学側から注意も受けた。「ロシアは言論の自由や民主主義をふるまうことさえやめてしまった」彼女は語る。

 そして、5月7日。NTVのミトコーワは式典と晩さん会に出席。「ノーバヤガゼータ」のムーリンたちは翌日の新聞に「メドベージェフはプーチンの代理だ」との記事を載せた。

 「強い国家」としての自信を取り戻しつつあるロシア。更なる強さを求め、言論統制はますます加速する―。

 というのがおおまかな内容なんですが、これはすごいですね。反政権派はみんな命がけじゃありませんか。

日本で大きく報道された事件としては、一昨年のリトビネンコ氏毒殺事件が記憶に新しいですが、「ノーバヤガゼータ」だけで3人。15年ほどの歴史の新聞社にしては異常です。ロシア全体では99年~06年に126人が、死亡または行方不明だと言われています。驚きですね。まるで映画の世界、おっそろしい。

 もう一つ恐ろしいと言えば、テレビによって盲目的にプーチンを信じる国民です。国営テレビの男性キャスターは「ロシア国民は事実を並べただけの報道では何も判断できない。だから我々が教えてあげるのです、(プーチンの)与党を信じなさい、とね」と言います。なんとまぁ、傲慢な言い方でしょうか。政権のマリオネットになり下がったあんたが言うな。彼はおいといて、チェチェン戦争では真実を伝えたNTVが、今はプーチンを讃美しているのですから、国民としては信じてしまうかも、と思うと、日本でも同じことが起きかねないかも、とも思います。それもまた恐ろしい。

 逆に、今盛んにメディアで行われている政府批判。そりゃ、道路族の無駄遣いはやですよ、後期高齢者医療制度はわかりにくいですよ、ガソリンはじめ物価は安いほうがいいですよ…。でもそれだけでしょうか。ひょっとしたら福田首相は、いまいちパンチがないだけで本当はすごい人なんじゃないの?と時々思うことがあります。急落している支持率は、メディアに責任の一端があるのでは?とも。ロシアや北朝鮮のようにトップをほめちぎるのも気持ち悪いですが、今の日本の報道も、少し偏っている気がして若干気持ち悪いです。

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