« 鬼ママを殺せ | トップページ | プレページ »

第158話「Lineage(母となる者の孤独)」

 子供、どうする?

※ネタバレです。

 朝から仲良くご出勤のパリス夫妻。ベラナはとってもご機嫌です。夫に行ってらっしゃい…行ってきます?のキスをして、仕事に励む部下を褒めて回ります。機関室2階へ上がると、セブンがイチェブを教育する現場に出くわしました。絶好調のベラナは、いつもの通り、セブンにくってかかります「ここで作業していいなんて、許可してないわよ!」…ところが、階段で躓いたわけでもないのにふらついてしまいました。

 この原因、イチェブ的な表現では「体内に別の生命体を感知」。セブンはもう先生役をするくらいですから、通信したドクターにもベラナにも通じる言葉を承知していました「妊娠したらしい」。

 わーおめでとう!・・・ていうか、早いね、子どもできるの。ということで、妊娠7週目でした。2ヶ月目くらいですか?体に異変が出るにしちゃ早いですが、ま4分の1クリンゴンなので、異人種の変容と、ベラナ自身がハーフですから、いろいろあるんでしょ。とりあえず、むらっけになったりするそうです。で、出産予定日ですが、30週か、もちっと早めかも…なんで?地球人はもっと遅いでしょうが?なんで早まる?それに、ベラナは赤ちゃんが男の子か女の子か聞きたくないようです。居ますね、そういう女性。性別も名前も、生まれてからでいいそうです。名前も?大変だぞ、名づけ。決まるまでなんて呼ぶの?赤ちゃん?もう一つ、みんなには内緒。この幸せはしばらく二人だけのもの。

…のはずが、セブンとイチェブのおかげですっかりばれちゃってました。トムは食堂でニーリックスに「いい知らせは服を着てない」の言葉とともに、名づけ親をやらせてほしいと言われました。いいよって軽く言っちゃったトム。こういうところ、男って…。二人のことどもでしょ!

ばれてるってことは…で、ベラナも副長と艦長から祝福を受けます。艦長がまず心配したのはベラナの体でしたが「セブンが代わってくれる」の一言はちょっとあれだったかも。

ハリーは、まるで自分の子供ができたと言わんばかりの笑顔で、しかし普段の仕返しとばかりに、トムをからかっていきました。なんだか、周りが一番盛り上がってるみたいですね。

でも、唯一冷静な人物。トゥヴォックのところへ、トムは何やら相談に行きました。この期に及んで、彼は子供のことを知りませんでしたが、たぶん一日中ここで作業してたんでしょうね。で、トムは上級士官で子供のいる作戦士官に忠告を求めに来たのでした。トムは「他に父親の知り合いはいない」って言ってました。知り合いかどうかは別にして、機関室のケアリーさんは、δ宇宙域に来た時にまだ小さい子供がいたはずです。で、トゥヴォックの一言。「子供は非論理的だが、いるだけで大いに満たされる。そのパラドクスを楽しむべきだろう」名言ですが、よく分からない感じですね。これからの助言も、喜んで引き受けてくれました。いい人。自分の子供は遠く離れてるのに。思いだして辛くなったり…しないのか。

仕事を終って帰ってきたベラナは、艦長が自分の仕事を減らしたことで、ちょっと落ち込み気味。あ、ちなみに、彼女は副長から名付け親になりたいと言われていました。おまけに、みんなから子育ての「アドバイス」を受けて、もううんざりでした。トムはそういうの好きみたいですけど。イラつくベラナ。ホルモンバランスがあんまりよろしくないみたいです。トムはベラナの心情をうまく察して、上手になだめました。

医療室に呼び出された二人。赤ちゃんの湾曲した背骨を治す遺伝子操作の話でした。ドクターはそのクリンゴン「女性」特有の遺伝を話す上で、うっかり子供が娘であることをばらしてしまいました。まあこの際ですから、赤ちゃんの予想図も見てみましょう…とホログラムで出したその額には、ベラナと同じような隆起がありました。小さい頃同級生に「カメおでこ」と称されてブチ切れた、あの隆起です。喜んで「ママにそっくりだ」というトムの声は、ベラナの頭の中で、彼女自身に、父親から向けられた言葉と重なりました。

いろんなことがあり過ぎて、もうお疲れの2人ですが、ベラナは幼い頃のキャンプを思い出しました。おじさんとパパと、いとこたちと。子どもたちだけで行くことを許されたハイキングも、あまり気乗りしない子ベラナ。嫌われてると思っていました。

アンティークのトースター(今時私たちだって使ってない)でパンを焼くトムと、焦るベラナ。結局、手術には1人で行くことにしました。ドクターは胎教プログラムのことで大はしゃぎしながら(おい)、手術開始です。母親教室まで準備中です。

ベラナは手術中、キャンプのことを思い出していました。子供たちだけで昼食中。優しくせしてくれるお従姉さんに対して、やっぱりどこか意地悪そうな従弟たちは、ベラナにミミズを仕掛けます。「キャー」とかいうの期待してたんでしょうけど、相手が悪かった。それだけで終わりません。怒ったベラナは、彼らを突き飛ばして走り去ってしまいました。

手術の終わった今のベラナ。ホロデッキで子供の未来像をシュミレートします。12歳を試してみると、それは幼いころのベラナそっくりでした。今度は少し、クリンゴンの遺伝子を削って再シュミレート。髪の色が変わっただけです。でもこれを繰り返し、額に隆起のない顔になったところで、ベラナはデータを保存しました。

おそらくそのデータをもとに、ベラナは娘の遺伝子再操作を、ドクターに求めたんでしょう。言い合いが始まりました。ベラナはクリンゴンの特性である予備的な器官をすべて取り除いてしまうほど、ごっそり遺伝子を変えようというのです。予備の期間が病気になったりするリスクは防げますが、外見、行動、性格すべてに影響が出ます。ドクターは、夫婦で話し合う時間を持てという条件のもと、大反対ですが一応データを検討してくれることになりました。

トムは…もちろん大反対。娘を別人にしてしまおうというのかと、クリンゴンの遺伝を排除して。ベラナは、幼いころの辛い思いの一端を話しました。自分だけが違う種類、劣等感を抱えて生きてきた。

ベラナはついに、艦長へ直談判に行きました。ドクターに艦長命令を下してほしいと。反対するトムと、作戦室で喧嘩を始める始末の二人を見て、艦長はまず二人でよく話し合って、それから解決しなさいと命じました。でもベラナは、誰も味方になってくれないと怒って、話し合うどころじゃありません。

部屋でサキシフォンの練習をしていたハリー。曲はアラジンですか?そこへ、荷物を抱えたトムがやってきました。ベラナと冷却期間を置くことにしたみたいです。ハリーに愚痴ったトムですが、ハリーはベラナの気持ちを理解していました。おお、その基本的なこと、トムの口からは聞いてませんね。

部屋に一人のこされたベラナ。あのキャンプの夜を思い出していました。ベラナはクリンゴンである自分がみんなに嫌われているから、嫌だと素直に父親に話していました。父ジョンは、昔の自分のあだ名を言って、慰めようとしますが…地球人であるパパにそう言われても…。結局地球人の輪の中に入らず、一人で本を読んでいました。ベラナ、気持ちわかるわ。自分だけ違うっていやだよね。輪に入ったって、それを見せつけられるだけ。

子供たちが眠った後、父ジョンは兄弟に家庭の悩みを相談していました。年とともに、妻ミラルの激しい気性や、彼女に似てきた娘との生活に…。それを、ばっちり聞いていたベラナ。

んなこと考えながら、機関室2階でボケっとしていたベラナ。副長が「テヤ」という名前を持ってきました。チャコティの女性形なんだそうで。ベラナが「じゃ、リストの32番目」と言うと、副長は笑顔で「やっぱり二人で考えるって言うのは?」と。最初から、この一言を言うことにしていた感じです。優しい副長に、ちょっと癒されたベラナ。でも、一緒にコーヒーに行くはずの廊下でトムに出会うと、さっさと退散してしまいました。おしいなぁ、副長。

まぁそれでも、トムは正直に昨晩さみしかったと白状しました。さ、仲直りの朝ごはん…と、その前に、ドクターからまた呼び出し。

彼は手のひらを返したように、ベラナの提案を実行すると言い出しました。代謝の不調和が起きる可能性が大きいという理由で。しかも、早めに…翌朝には手術を始めたいから、早く決断しろとせっつきました。

にわかには受け入れられないトムは、データ分析のプロに再分析を頼みました。イチェブは遺伝学得意だし。ところが、異常があったのはデータだけでなくドクターその人もでした。翌朝にと言っていたドクターですが、もう彼は手術を始めていました。当然のごとくロックされた医療室のドアを、なんともアナログな方法で開けたトム以下一同は、ドクターに事実を告げ、彼は停止。思った以上に追い詰められていたベラナとトムは、艦長の助言通り二人で話し合います。さすがに、頭にきて大きな声をあげたトムですが、ベラナはいきなりパパのことを話し始めました。あのキャンプで、父親の悪口を聞いてしまったベラナは、一人でキャンプを出て行こうとしました。止めてくれた父親に対して、怒りが収まらなかったベラナ。最後に決定的な一言を言いました。「そんなに嫌なら出ていけばいいでしょう!」…そして、パパは直後に本当に出て行ってしまいました。ベラナはずっと自分のせいだと自責の念に駆られていたのです。そして、トムもいずれ自分から離れて行ってしまう…。トムはそれをきっぱりと否定してくれました。

ベラナはドクターのプログラムを元に戻し、そして謝罪しました。その時、早くも胎動を感じることのできた2人。ベラナはドクターに名付け親になって欲しいと頼みました。照れ隠しなのか「ニーリックスはナオミに付けたし、チャコティは子供のことなんて知らないし、まだハリーの方がまし」なんて、どさくさにまぎれてひどいこと言ってます。副長涙目。もちろんドクターは快諾します。ベラナは再び映し出されたありのままの子供の映像を「可愛い子だわ」と言って笑いました。

今回も、なんだか副長が可哀そうな扱い。めっちゃいい人なのにな~。でも、私なら名付け親は艦長に頼みます。当然でしょうが。

今回のお題。原題「Lineage」は「血統」とか「家系」とか「種族」とか。家族に問題を抱えているのは、ベラナだけではありません。そういう意味では、トムとベラナの子が家庭に問題なく育ってくれるのを祈るばかりです。子どもの名前は言いませんが、最終回ではドクターがつけたであろう娘の名前が登場します。正直言うと…「なんちゅう安直な」ってところですが。邦題「母となる者の孤独」。これまた詩的ですけど、今回は何か好きです。きっと今のベラナは、地球人にもクリンゴンにも半分半分なところに孤独を感じるんでしょうね。完璧なクリンゴン人なら、初期のあのエピみたいに「私はクリンゴンだ、文句あるか!」って感じだったと思いますが。

|

« 鬼ママを殺せ | トップページ | プレページ »

REVIEW」カテゴリの記事

コメント

出ましたネ~。
幽人にとっては、VOYの全話中5本の指に入るくらいに好きなエピです。
小学生時代の自分もベラナと似た境遇で、最初の林間学校がツラかったのでその後は卒業まで二度と参加しませんで…(ーー゛)。
子どもの頃は友達との楽しい思い出が全くないです。その分兄弟が多いので助かりましたが…。
それにしてもベラナの場合、エンジニアだからコワいですよね…^_^;。
結局、出て行っちゃうような父ちゃんだから彼女は孤独だったわけで、トム君がその絶望感を分かって、彼女のしでかしたことを責めずに受け止めてたのが頼もしかったです。
こういうエピを、もっと見たかった気がしますね~。

投稿: 幽人パリス | 2009年9月11日 (金) 01時41分

>幽人パリスさん
トムはほんと、結婚した途端いい男度アップしまくりですよね。
ベラナのあの状況は、身につまされます。私は林間学校の経験がないんです(思いっきり田舎出身なもので、そんなの毎日)が、自分だけ何かが違うという疎外感って、それが何か分からないうちからきついですもんね。私は(昼食)「洋かな」を「羊羹」と言いかけた(うそ、私が聞き違えた)弟しかいないので、上手くいかない友達関係を無理やり続けてました。
ベラナのパパもトムみたいだったら、ベラナも普段からもちっとセーブ利いた人になったかもしれませんね。最近は、トム君効果か結構我慢できてきてるように思いますが。

投稿: 浅木 | 2009年9月11日 (金) 23時57分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/499466/31295252

この記事へのトラックバック一覧です: 第158話「Lineage(母となる者の孤独)」:

« 鬼ママを殺せ | トップページ | プレページ »